60代・未経験でもコールセンターは採用される?採用担当が断言する理由と受かる人の条件

60代未経験でコールセンターに採用される理由を採用担当が解説するイメージ 仕事ラボ

THIS ARTICLE’S AUTHOR

ぐっさん|シニア採用責任者

  • コールセンター業界で複数センターの採用を管轄
  • 採用単価60%削減・年間140名採用実績
  • 上場企業の採用戦略に貢献(2024年)

「60代・未経験では、さすがに無理かもしれない」——求人票を見てそう感じて、応募をためらっていませんか。
実際に年間140名のシニアを採用してきた採用責任者として、はっきり伝えます。60代・未経験は、コールセンターで不利ではありません。むしろ採用担当として、未経験の方を好む理由があるのです。

この記事では、採用担当として現場で見てきた「未経験でも採用される人の条件」「有利な職歴・注意が必要な職歴」「最初の壁の乗り越え方」を、現場の本音でお伝えします。

「未経験だから無理かも」と思っているあなたへ

コールセンターの求人を見ると、「未経験歓迎」という文字が並んでいます。でも心のどこかで「本当に?」と疑ってしまう方が多いのも事実です。特に60代ともなると、「年齢と未経験のダブルで厳しいのでは」と二重に不安を感じてしまう。

結論から言います。その不安は、誤解です。

私が採用責任者として関わってきた複数のコールセンターでは、60代の未経験者を何度も採用してきました。そして長く続けているスタッフの中に、60代で未経験からスタートした方が少なくありません。なかには10年以上勤続している方もいます。

なぜそうなるのか。その理由は、多くの人が思っているものとは少し違います。

採用担当の本音:「未経験の方がいい」と思っている理由

経験者の「プライド」が邪魔をするケースが多い

「経験者の方が即戦力で楽なのでは?」と思われがちです。飲み込みは確かに早い。でも、結果に繋がるかどうかは別の話です。

NG

経験者がはまる「プライドの罠」

コールセンター経験者の中に、「前職ではこうだった」「私はこのやり方の方がいいと思う」と、現場のやり方に素直に従えない方が一定数います。過去の経験が中途半端な場合ほど、この傾向が強い。結果として数字が出ず、早期に離職するケースが多く見られます。採用担当として、このパターンを何度も目の当たりにしてきました。

コールセンターのトーク台本(スクリプト)は、素人が作ったものではありません。毎日何万件もの発信記録と音声データを分析し、現場のスーパーバイザー(SV)が磨き上げてきたものです。半端な経験値では超えられる道理がありません。

まっさらな人が1年で年間MVPを取った話

これは実話です。過去に採用した未経験者が、入社1年で年間MVPを獲得しました。コールセンター経験者を抑えて、です。

採用担当からひとこと
「未経験は一から教えるけど、余計なクセもフィルターもないから、素直に指導を受ける傾向がある。まっさらな状態の方が伸びる。これは確実に言える。」
採用担当からひとこと この見解は、私だけでなく現場のスーパーバイザー(SV)とも一致しています。「未経験でも採用される」ではなく、「未経験だからこそ伸びる」という話です。

採用担当として本当に見ているのは、経験の有無ではありません。「お客様対応ができる人かどうか」という一点です。そのために必要なのが、次に紹介する素地です。

あなたの職歴、コールセンターで活きますか?

「では、未経験で何もない自分はどうすればいいのか」——そう思った方のために、職歴別に整理します。

有利な職歴(接客・営業・窓口・看護師など)

コールセンターで活きやすい職歴

  • 飲食・販売・小売などの対面接客——理不尽なお客様への対応経験がある。ストレス耐性が身についている。
  • 保険・不動産などの営業職——「結果がすべて」という感覚を持っている。テレアポ経験がある方はそのまま活きる。
  • 銀行・役場の窓口——丁寧な対応と外部顧客との対話経験が直接活かせる。
  • 看護師・介護職——患者・利用者対応で感情コントロールを鍛えてきた。電話越しの対応にも応用できる。

共通するのは、「外部の人間と向き合う仕事をしてきたかどうか」です。対面か電話かの違いに慣れさえすれば、これらの経験はコールセンターで大きな武器になります。

「電話慣れしてる」は誤解——事務経験だけだと注意が必要な理由

「会社の電話応対はしてきた。だから電話には慣れている」——この考えは、少し注意が必要です。

職種 電話の性質 コールセンターとの相性
事務(社内電話・受付) 受動的・社内対応中心 △ 注意が必要
対面接客(飲食・販売) 外部顧客・感情対応あり ◎ 強い
営業・テレアポ 発信・結果コミット ◎ 即戦力
窓口・看護師 外部・感情コントロール ◎ 強い

事務経験だけの方が活きにくい理由は、「社内の電話対応」と「顧客への発信業務」は真逆のスキルだからです。社内の受付は受動的——かかってきた電話を取り次ぐだけ。でもコールセンターでの発信業務(アウトバウンド)は、顔が見えない相手に自分から働きかけ、心を動かすことが求められます。

ただし、「事務経験しかないから無理」ということではありません。後ほど説明する「採用担当が面接で見ているポイント」さえ押さえれば、十分に可能性はあります。

🔍 タップで拡大して読めます
職歴マップ:コールセンターとの相性 強みになりやすい職歴と注意が必要な職歴を2列で示した図解 あなたの職歴はどこに当てはまる? ◎ 強みになる職歴 対面接客(飲食・販売) 保険・不動産営業 テレアポ経験 銀行・役場窓口 看護師・介護職 △ 注意が必要な職歴 事務・社内電話のみ ただし「素直さ+PC基礎」 があれば十分に挽回できる
FIG.1 職歴よりも「素直さ・謙虚さ・お客様対応の意識」の方が採用担当には伝わります

採用担当が面接で本当に見ているポイント

「わからないことをわからない」と言える人

面接でこんな質問をよくします。「PCはどの程度使えますか?」

「少し使えます」「エクセルは一通り」——この答えは、実際に確認すると嘘をついていたケースが少なくありません。逆に、「タイピングは遅いですが、マウスとプルダウン操作ならできます」と正直に言える人の方が、入社後に伸びる。

採用担当からひとこと
「質問が多い人は安心感がある。わからないことをわからないといえるのは大事。それが歳を重ねるといえなくなる。」
採用担当からひとこと 「わかりません」と言える人は、入社後も素直に指導を受けられる可能性が高い。採用担当として最も安心できる答えのひとつです。年齢とともにこれが難しくなるからこそ、できる方は強い。

謙虚さと素直さが、未経験のハンデを超える

採用担当として、長年見てきてたどり着いた結論があります。

採用担当が最重視する2つの資質

「挨拶がいい、謙虚。これにつきます。」——これは面接で最初に確認することです。気遣い、心配り、挨拶ひとつですべてが変わる。コールセンターは人と話す仕事。自分より若いスーパーバイザー(SV)の指導を素直に受けられるかどうかが、最初の壁を超えられるかどうかを決めます。

「小さなプライドより、一からはじめる心が大事」——これが私が採用面接で伝え続けてきた言葉です。経験があるかどうかより、今この場で何を貢献できるかという姿勢の方が、採用担当には確実に届きます。

最初の壁と、乗り越えた瞬間の話

最初の1件を取るまでが勝負

コールセンターの発信業務(アウトバウンド)に入ってから、最初の壁は「初めて受注できるまで」の期間です。難易度にもよりますが、1時間に1件が目標という業務でも、最初の1件が取れるまでに数日かかることもあります。

でも——その最初の1件を取った瞬間のことを、私は忘れられません。

採用担当からひとこと
「多くの人が1人目のお客さん(最初の受注)は覚えているんじゃないかな。初めて受注した瞬間、自分の力で商品をおすすめして買ってもらう経験はその人にしかわからない。でもだいたいほとんどの人が、見たことないくらいの笑顔になる。そこからすべてが変わる人がいる。」
採用担当からひとこと 年間140名を見てきて、この瞬間は何度も目にしています。その笑顔を見るたびに、採用担当として「この人を採用してよかった」と思う。最初の1件が、すべての出発点です。

熱意とは何か——ラーメンと関サバの話

「押し売りはしたくない」と感じている方も多いと思います。コールセンターの発信業務への不安のひとつがこれです。でも、採用担当として伝えてきたことがあります。

友達に「あそこのラーメン、おいしいから食べてみて」と言われたとします。ほとんどの人はそれだけでは動きません。でも「あれは人生を変える味だ、近くに住んでて行ってないのはもったいない。今すぐすべてを捨てて食べに行ってほしい!」と言われたら——強烈に頭に残って、行きたくなりませんか。

お寿司屋で大将に「今日はサバがうまいです」と言われても響かない。でも「今日のサバはブリブリに脂がのってる。大分の豊後水道でとれた関サバは身がゴリゴリしてるけど、それだけじゃない。お客さん、最高のタイミングで来てくれた」——ここまで言われたら、9割以上が食べたくなると思います。

熱意の本質

コールセンターでの「おすすめ」は、押し売りではありません。商品の良さを本気で伝えようとする「熱意」が、お客様の心を動かします。この感覚が身につくまでに時間はかかる。でも一生懸命な人は人の心を動かせる——それが最初の1件の感動に繋がります。

研修について——「長い方がいい」は誤解です

「未経験だから研修が長くないと不安」という声をよく聞きます。でも、何百名のスタッフを見てきてたどり着いた結論は逆です。

🔍 タップで拡大して読めます
研修期間の目安(業務タイプ別) 発信業務と受信業務の研修期間の目安と採用担当の見解を示した図解 研修期間の目安(業務タイプ別) 発信業務(アウトバウンド) 数日〜1週間 覚えることが少ない 受信業務(インバウンド) 1週間〜1ヶ月 覚えることが多い 採用担当の見解 短い研修+実務(OJT)の方が身につく。 これが何百人を見てきた結論です。
FIG.2 OJT(現場実務を通じた訓練)形式の方が実際に身につく

コールセンター専用のシステム(CTI:コンピューターと電話を統合した管理システム)も、操作自体はマウスとプルダウンが中心で、それほど難しくありません。ただし、PCがまったく触れない状態は厳しいのも事実です。

入社前にできること——それは、まずPCに触れることから始めることです。タイピングが遅くても構いません。でも「全くできない」は、この時代を戦う上で正直に厳しい。図書館や地域のPC教室など、無料で学べる場所は増えています。少しずつでも自分をアップデートしていきましょう。

まとめ:60代未経験で挑戦するあなたへ

このサイトを読んでいるあなたは、事前にリサーチをして、慎重に準備をしようとしている方です。採用担当として断言します——そういう方こそ、採用担当が応援したくなる存在です。

「働くことって、つらいことも多いけど、人とつながり、得るものも多いと思うんだよね。」——これは私が現場で実感し続けてきた言葉です。60代からのコールセンターという選択を、ぜひ前向きに考えてみてください。

◯ 応募前に全体像を確認しておきませんか

業務タイプの選び方・続く人の条件・よくある不安への回答まで、採用担当が一冊分にまとめた完全ガイドです。面接前に読んでおくと準備が変わります。
シニア×コールセンター完全ガイドを読む →

◯ この記事のまとめ

  • 「60代・未経験はコールセンターで不利」は誤解。採用担当・現場SVともに、未経験者の方を好む理由がある。
  • 経験者の「前職のプライド」は邪魔になることが多い。まっさらな状態で1年間MVPを取った実例がある。
  • 有利な職歴は対面接客・営業・窓口・看護師。事務経験のみの方は「素直さ+PC基礎」で十分に挽回できる。
  • 採用担当が最重視するのは「挨拶・謙虚さ・わからないことをわからないと言える正直さ」。
  • 最初の1件を取った瞬間に、すべてが変わる。その感動が次のモチベーションになる。
  • 研修は「長い方がいい」は誤解。短い研修+実務(OJT)の方が身につく。

「挑戦する」と決めたら、次は面接対策へ

未経験でも採用された方が使った志望動機の例文5選を公開中です。採用担当が実際に評価したポイントも解説しています。

採用担当が評価した志望動機を見る

著者:ぐっさん|シニア採用責任者

EDITOR IN CHIEF

アパレル副店長を経て通販支援事業会社へ転職。コールセンターSVからキャリアをスタートし、採用責任者として複数センターの採用を管轄。採用単価60%削減・年間140名採用・離職率38%から18%改善の実績。上場企業の採用戦略に貢献(2024年)。「シニアのライフスタイルを変革する」をミッションに、採用する側の視点から本音でお届けしています。

タイトルとURLをコピーしました