シニアの志望動機 完全ガイド——採用担当1,000人超と向き合った現場の本音

シニアの志望動機の書き方を採用担当が解説したイメージ画像 仕事ラボ

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ぐっさん|シニア採用責任者

  • シニア採用責任者として複数職種・複数センターの採用を管轄
  • 採用単価60%削減・年間140名採用実績
  • 年間1,000名以上のシニア求職者と向き合ってきた

「志望動機をどう書けばいいかわからない」——そう感じているシニアの方は多いと思います。でも正直に言います。採用担当が志望動機で見ているのは、文章の上手さでも熱量の高さでもありません。

この記事では、年間1,000名以上のシニア求職者の志望動機を読んできた採用担当の視点から、「採用担当の心が動く志望動機の本質」と「自己都合の動機(お金・近い・家にいたくない)への本音評価」をすべて公開します。さらに、そのままコピーして使える例文8本を職種・ケース別に掲載しています。

シニアの志望動機、採用担当が本当に見ていること

志望動機を書くとき、多くの方が「熱意をどう伝えるか」を考えます。それは間違いではありません。でも、採用担当の側から見ると、志望動機で最初に確認していることは少し違います。

私が年間140名の採用を担当してきた経験から言うと、最初に見るのはシンプルに「この会社のために書いた文章かどうか」です。どこにでも持っていけるような使いまわしの志望動機なのか、この仕事・この会社を意識して書かれた文章なのか、読んだ瞬間にわかります。

シニアの方の場合、中途の正社員採用ほど「会社を深く調べてきた」という志望動機にはめったに出会いません。ただし、それだけに「業務内容に言及した上でアピールしてある」志望動機は一段目立ちます。たとえば「コールセンターの仕事は丁寧さと忍耐力が求められると理解しています。私は〇〇の仕事で〜」のような書き方です。たったそれだけで、「調べてきたな」「本気だな」という印象になります。

採用担当が志望動機で確認していること

この仕事・この会社を意識して書いたか/業務内容に少し触れてあるか/どこにでも持っていける使いまわしでないか——この3点が揃えば、志望動機として十分に機能します。

シニアの志望動機——「定型文でいい」採用担当の本音

ネットで「志望動機 書き方」と検索すると、ほぼすべての記事に「オリジナリティを出して差別化しましょう」と書いてあります。そのアドバイス自体は否定しません。でも採用担当の本音を言うと、定型文でもまったく問題ありません。

採用担当からひとこと

「定型文でいい。それより丁寧に書くことを意識するべき。」

COMMENT 採用担当が志望動機で見ているのは「文章のオリジナリティ」ではなく「丁寧に書かれているか」。定型的な内容でも、丁寧に書いてある志望動機のほうが、凝った内容でも雑に書かれたものより何倍も好印象です。

たとえば「人の役に立てる仕事をしたいと思い、応募しました。これまでの〇〇の経験を活かし、誠実に取り組んでまいります」——このような定型的な内容でも、丁寧な字で(手書きの場合)、空欄なく、業務内容への一言があれば十分です。

むしろ気をつけてほしいのは、「オリジナリティを出さなければ」と焦って、事実と違うことを書いたり、読みにくい文章になったりすること。採用担当は何百枚もの志望動機を読んでいます。そこで求められているのは「この人と働けそうか」という直感的な信頼感であって、文学的な表現ではありません。

NG PATTERN

「オリジナリティを出そう」と無理をした志望動機

「差別化しなければ」と焦るあまり、事実と異なる熱意を書く、回りくどくなって読みにくくなる、業務と関係のない自己アピールに終始する——こうした志望動機は採用担当に「何が伝えたいのかわからない」という印象を与えます。シンプルで正直な内容のほうが、はるかに好印象です。

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志望動機:刺さる vs スルー 採用担当に刺さる 業務内容に触れてある 丁寧に書かれている 空欄がない この会社向けに書いた 定型文でも問題なし。 丁寧さが伝われば十分。 スルーされる 使いまわしの内容 走り書き・雑な記述 志望動機欄が空欄 業務と無関係な自己PR 「何が言いたいのか わからない」と思われる。 採用担当が見ているのは「丁寧さ」と「この会社への意識」

FIG.1 採用担当に刺さる志望動機とスルーされる志望動機の違い

本音系の志望動機(お金・近い・家にいたくない)への採用担当評価

「お金のために働きたい」「家から近いから」「夫と家にいると息が詰まる」——こういった本音の動機を、採用担当はどう評価しているのでしょうか。多くの方が「自己都合な動機はマイナスに映るのでは」と心配します。

結論から言うと、動機の種類によって採用担当の受け取り方はまったく異なります。

「生活が苦しい・お金のために働きたい」への評価

これは正直な話、プラスに受け取ります。生活が懸かっているということは、仕事が決まれば一生懸命やってくれる可能性が高い。お金のために働きたいという動機は、継続して働く理由として十分に機能します。マイナスにはならないどころか、採用担当として「真剣に求職している人だ」という安心感があります。

「家にいたくない・体を動かしたい」への評価

こちらは少し違います。面接でこういった動機を聞いたとき、私は必ず「じゃあそのために今何かやっていますか?」と聞きます。

採用担当からひとこと

「家にいたくないとか、体を動かしていたい、これは面接で話を聞いてます。じゃあそれで今何やってますか?ボランティアしてるとかコミュニティに入ってるとか活動してる人、入ってなくても週にどれぐらい運動してる、毎日ウォーキングしてるなど行動が伴っていればいいと思う。でも何もしてない人は割り引きます。ちょっとの努力や行動もできない人なんだなと感じるので。」

COMMENT 「体を動かしたい」「外に出たい」という動機が本物かどうかは、現在の行動に表れます。ウォーキングでも習い事でもボランティアでも、何か行動している人はプラス評価。何もしていないなら動機の信ぴょう性が下がります。

つまり、自己都合の動機そのものが問題なのではありません。「その動機に伴う行動があるかどうか」が採用担当の見ているポイントです。面接で「なぜ働きたいのですか?」と聞かれたとき、本音の動機を語りつつ、「そのために今〇〇をしています」という一言が添えられると、印象がまったく変わります。

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自己都合動機の採用担当評価 自己都合の動機 お金・生活のため (生活が懸かっている) 体を動かしたい・ 家にいたくない プラス評価 一生懸命やる人と判断 行動している → プラス評価 何もしていない → 割り引く 動機の種類より「行動が伴っているか」で評価が変わる

FIG.2 自己都合動機への採用担当評価の分岐図

採用担当の心が動くシニアの志望動機——「与える」から書く

採用担当として年間1,000名以上のシニアと向き合ってきた私が、本当に伝えたいことがあります。それは、志望動機の本質についてです。

就職活動や採用の場は、つまるところ「この人と働きたい、うちには必要だ」と思われることが目的です。そのために必要なのは、自分が何で貢献できるかを伝えること。そして貢献するから対価(給与)が支払われるという関係性を理解していること。

採用担当からひとこと

「求職者も人なら面接官もやっぱり人です。どうせ書くなら、自分のこういう経験がこの仕事にこう活かせる、そういう書き方のほうがいい。何かを手に入れたいなら『ほしい』のまえに『与える』ことができないと意味がない。」

COMMENT 「何かを手に入れたいなら与えることが先」——これが志望動機の本質です。「働かせてほしい」という視点から「この仕事にこう貢献できる」という視点へ。この転換が採用担当の心を動かします。

貢献視点の志望動機の書き方

公式:「自分の〇〇という経験が、この仕事の〇〇という部分に活かせると考えています」

貢献視点の志望動機チェックリスト

  • 「この仕事に自分の〇〇が活かせる」という一文がある
  • 業務内容(電話対応・接客・データ入力など)への言及がある
  • 「働かせてほしい」ではなく「貢献できる」という視点になっている
  • 使いまわしでなく、この仕事・この会社を意識した内容になっている
  • 丁寧に書かれており、空欄がない

シニアの志望動機 例文8選【コピーしてそのまま使えます】

以下の例文は、採用担当の視点から「貢献視点」と「業務への言及」が両立している型です。職種・ケース別に8本掲載します。自分の状況に近いものをコピーし、〇〇部分を書き換えてお使いください。

EXAMPLE 01 施設警備/規律・体力に自信あり

長年、規律を守りながら任された業務を着実にこなすことを大切にしてきました。施設警備の仕事は正確な巡回と確認作業の積み重ねが求められると理解しており、その点を強みとして貢献できると考えています。体を動かしながら長く働き続けたいという思いから、御社に応募いたしました。

「規律」「正確さ」という警備業に直結した強みを前面に出した例文。体力面への取り組み姿勢も自然に伝わります。

EXAMPLE 02 清掃・軽作業/几帳面・コツコツ型

毎日決まった作業を丁寧に積み重ねることが得意です。清掃の仕事は同じ作業を毎日コツコツ続ける几帳面さが求められると理解しており、自分の性格に合っていると感じています。無理のない範囲で、長く安定して働き続けたいと考え応募いたしました。

「几帳面さ」「コツコツ続ける」という清掃業に直結した性格的な強みを使った例文。長期就労の意志も自然に添えられています。

EXAMPLE 03 在宅・軽作業/介護・育児経験者

家族の介護を通じて、限られた時間の中で計画的に物事を進める習慣が身につきました。在宅でできる軽作業の仕事であれば、その経験を活かして安定して取り組めると考え、応募いたしました。現在は介護の状況も落ち着き、決まった時間に作業に向き合える環境が整っています。

介護経験を「計画的に進める力」として転換した例文。在宅・軽作業ならではの「決まった時間に取り組める」という安心材料も添えています。

EXAMPLE 04 マンション管理員/几帳面・コツコツ型

長年、几帳面さを活かして職務に取り組んできました。マンション管理員の仕事は清掃・点検・巡回を毎日着実にこなす几帳面さが求められると理解しており、自分の性格に合っていると感じています。体を動かしながら地道に貢献できる環境で、長期的に働き続けたいと考え応募いたしました。

「几帳面」という性格的な強みを業務要件に直結させた例文。長期就労の意志を明示することで安定性もアピールできます。

EXAMPLE 05 マンション管理員/定年退職後の再スタート

定年退職後も社会に貢献し続けたいと考えており、マンション管理員の仕事に応募いたしました。これまでの〇〇の経験から、報告・連絡・相談を大切にしながらチームの中でサポート役として動くことには慣れています。居住者の方々の生活を支える仕事として、誠実に取り組んでまいります。

「過去の栄光アピール」ではなく「チームサポート」として経験を再定義した例文。採用担当が懸念する「指示を聞けるか問題」を先に解消しています。

EXAMPLE 06 警備員/体力・規律に自信あり

規律を守りながら任された業務を着実にこなすことを大切にしてきました。警備の仕事は正確さと責任感が求められると理解しており、その点を強みとして貢献できると考えています。体を動かしながら社会の安全に関わる仕事に、誠実に取り組んでまいります。

「規律」「責任感」という警備業に直結した強みを前面に出した例文。体力的な不安を「体を動かしながら」という表現で先に払拭しています。

EXAMPLE 07 未経験・職種問わず/汎用型

これまでの〇〇の仕事を通じて、指示をしっかり聞き、チームの中で動くことを大切にしてきました。未経験の業務ではありますが、丁寧に学びながら着実に貢献していきたいと考えています。安定して長期的に働き続けたいという思いから、御社に応募いたしました。

未経験でも使える汎用型。「指示をしっかり聞く」という一文が採用担当の最大の懸念(シニアは指示を聞かないのでは?)を先に解消します。

EXAMPLE 08 ブランクあり・再就職型

介護のため〇年間離職しておりましたが、現在は家族の協力を得て働ける環境が整いました。離職前は〇〇の業務に〇年従事しており、その経験をこの仕事に活かしたいと考えています。ブランクがありますが、誠実に取り組む姿勢は変わりません。安定して長期的に貢献できる仕事として、御社を志望しました。

ブランク期間を正直に説明しつつ「今は働ける」という根拠を明示した例文。採用担当が最も確認したい「今、継続して働けるか」という疑問に先に答えています。

シニアの志望動機——やってはいけないNGパターン

採用担当として正直に言います。過去の実績や肩書は、書き方次第でむしろ逆効果になります。

採用担当からひとこと

「知りたいのはどれだけ偉い、どんな実績があるかという過去より、いまの自分はどんな経験があるから何に貢献できる、未来の話。過去の栄光は不必要で、現場で指示を聞けるか、協調できるかの不安につながる。採用者はこの人を採用することで現場にどんなメリットがあるか、生産性につながるか、チームがよくなるかを考えている。」

COMMENT 「過去の栄光=現場で指示を聞けるかの不安につながる」というのが採用担当の本音です。過去の肩書を全面アピールされると、「この人は指示を素直に聞けるのか」という不安が先に立ちます。

NG PATTERN

「過去の地位・実績の全面アピール型」志望動機

「部長として○名の部下を管理し、売上を○%改善した実績があります。その経験を活かして御社に貢献したいと考えております」——これは職務経歴書ならOKですが、志望動機の全面に持ってくると逆効果。「この人はどれだけ偉かったかをアピールしたいのか」「今の仕事(チームワーク重視)と実態が合わないのでは」と感じさせます。

過去の経験の正しい使い方

「私は〇〇をしてきた(過去の実績)」ではなく「〇〇の経験があるので、この仕事の〇〇に貢献できると考えています(今と未来)」という方向にシフトするだけで、採用担当の受け取り方が変わります。

よくある質問(FAQ)

志望動機は何文字くらい書けばいいですか?

履歴書の欄が埋まる程度(100〜200字前後)が目安です。余白が大きく残るのは「手を抜いた」印象を与えます。逆に欄外にはみ出すほど長い必要はありません。「この仕事に自分の経験が活かせる」という内容が2〜3文で入っていれば十分です。

ネットで見つけた例文をそのまま使っていいですか?

例文を参考にすることは問題ありませんが、一字一句そのまま使うのは避けましょう。採用担当は同じような例文を見慣れているため、コピーだと気づきます。この記事の例文を使う場合も、〇〇部分を自分の経験に書き換えることで、より説得力が増します。

「お金のために働きたい」と正直に書いてもいいですか?

志望動機の欄に「生活費の補填のため」とストレートに書くことは避けたほうが無難です。ただし面接でそういった動機を聞かれたときに正直に答えることはむしろプラスになります。志望動機欄では「安定して働き続けたいと考え」「長期的に貢献できる仕事を探しており」という表現に置き換えると自然です。

未経験の仕事に応募するとき、志望動機をどう書けばいいですか?

未経験であることを隠さずに、「この仕事のどこに自分の経験・性格・体力が活かせると思うか」を書きましょう。「経験はありませんが、〇〇の業務を通じて培った〇〇という強みが、この仕事にも活かせると考えています」という形が有効です。採用担当はシニア未経験者に「前職と同じパフォーマンス」を求めていないケースも多く、「丁寧に仕事に取り組める人かどうか」を見ています。

志望動機と自己PRの違いは何ですか?別々に書く必要がありますか?

志望動機は「なぜこの仕事・この会社なのか」、自己PRは「自分の強み・経験が何に役立つか」という違いがあります。履歴書に両方の欄がある場合は分けて書きましょう。「この仕事に貢献できる(志望動機)+それができる理由は〇〇の経験があるから(自己PR)」という流れで整合させると説得力が増します。自己PRについては別記事で詳しく解説しています。

この記事のまとめ

  • 採用担当が志望動機で最初に見るのは「この会社のために書いたか」という誠実さと「業務内容への言及があるか」という意識
  • 「定型文でいい」——オリジナリティより丁寧さが大切。定型的な内容でも丁寧に書かれていれば十分に機能する
  • 「お金のため」という動機はプラス評価。「体を動かしたい」は行動が伴っているかどうかで評価が分かれる
  • 採用担当の心が動く志望動機は「自分の経験がこの仕事にこう活かせる」という貢献視点の一文があるもの
  • 過去の実績・肩書の全面アピールは逆効果。「今の自分が何に貢献できるか」の根拠として使うのが正解
  • 「何かを手に入れたいなら与えることが先」——採用担当が見ているのは、この本質的な視点があるかどうか

最後に、採用担当として伝えたいことがあります。AIが普及した今、志望動機の例文はいくらでも生成できます。でも採用担当は、読んでいてその人の本気度がわかります。この記事の例文を型として使いながら、最後は自分自身の経験と言葉で書き換えてください。それが採用担当に届く志望動機になります。

著者:ぐっさん|シニア採用責任者

EDITOR IN CHIEF

シニア採用責任者として複数職種の採用・採用説明会を管轄。年間1,000名以上のシニア求職者と向き合ってきた。採用単価60%削減・年間140名採用・離職率38%→18%改善の実績。上場企業の採用戦略に貢献(2024年)。

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