警備員の説明会で起きていること——採用担当が隣で見た来場者と担当者の景色

警備の説明会の景色。隣のブースで見てきた来場者と担当者のリアル 仕事ラボ

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ぐっさん|シニア採用責任者

  • シニア採用責任者として複数職種・複数センターの採用を管轄
  • 採用単価60%削減・年間140名採用実績
  • 年間1,000名以上のシニア求職者と向き合ってきた

シニア向けの合同説明会では、警備・マンション管理・コールセンター・清掃など、複数業種のブースが同じ会場に並びます。私は採用担当として、自社のブースに立ちながら、隣の警備ブースの様子を何度も間近で観察してきました。

そこで見えてきたのは、警備の説明会で起きていることは「想像とかなり違う」ということです。マンション管理の倍以上の来場者、なぜか全員びしっとしている警備会社の担当者、そして「自分のイメージだけで来て、調べてこない」応募者たち。この記事では、隣で見てきた立場から、警備の説明会のリアルを正直に書きます。

警備の説明会は、ほかの業種より圧倒的に人が来る

まず体感としてお伝えしたいのが、警備ブースの来場者数です。マンション管理や清掃のブースと比較して、警備のブースには圧倒的に多くの人が集まります。私の体感では、マンション管理の倍以上は来ています。

これは「警備という仕事が分かりやすい」からだと思います。テレビでも見たことがある、街中でも見たことがある、「立っているだけに見える」「自分にもできそうに見える」——こうしたイメージが共有されているため、詳細を聞きに行こうとする人が多い。とくに男性は、警備ブースに足を運ぶ率が高いです。

来場者の年齢層は意外と広い

シニアだけかというと、そうでもありません。社員採用まで含めた説明会だと、20代・30代の若い男性も警備ブースに立ち寄ります。これは交通誘導や雑踏警備など、体力勝負の業務を視野に入れた応募者でしょう。一方で60代・70代のシニアも多く、年齢層は20〜70代までかなり幅広いのが警備ブースの特徴です。

採用担当からひとこと
「警備の説明会はマンション管理以上に人が来る。体感で倍以上。やっぱりイメージしやすいので詳細を聞きに行こうとする人が多い。特に男性。若い人もいるよ、特に社員採用まで含めた説明会だと。」
COMMENT 分かりやすい職業ほど「自分にもできそう」と感じる人が多くなる、というのは説明会の現場で何度も見てきた現象です。

「スーツ・ビジネスマナー系」は警備ブースには少ない

これも観察してきたなかで興味深かった点です。説明会会場では、きちんとスーツを着てビジネスマナーがしっかりしている、いわゆるホワイトカラー的な雰囲気の男性も来場します。けれど、彼らが警備ブースに足を運ぶことはあまり多くありません。むしろコールセンターや事務、施設管理のブースに集まる傾向があります。

警備ブースに集まるのは、現場仕事の経験がある人、製造業出身の人、運送業から流れてきた人、そしてパソコン作業に苦手意識を持つ人。「身体を使う仕事」のイメージが強いため、自然と来場者層が決まってきます。

警備会社の担当者は、なぜか全員「びしっとしている」

もうひとつ、隣で観察していて毎回感心するのが、警備会社の説明会担当者です。大手・中堅・地場、規模を問わず、警備会社から来る担当者は全員びしっとしています。背筋が伸びていて、制服がパリッとしていて、挨拶も明瞭。これは偶然ではなく、警備業の文化そのものだと思います。

採用担当からひとこと
「警備会社の人は礼儀正しい。イメージしやすいので簡単にできそうだけど、誠実で礼儀がある人が結局長続きするんだと思う。警備会社の偉い人、説明会の責任者、マジでみんなびしっとしてる。」
COMMENT 警備は「接客業」と言われる所以がここにあります。説明会の段階から、その文化が体現されている。

びしっとした担当者が意味すること

応募者の立場で考えてみてください。説明会で会う担当者は、その会社の「顔」です。そこから受ける印象は、入社後の現場の雰囲気とも繋がっています。警備会社の担当者がびしっとしているのは、現場でも礼儀と規律を重視しているということです。

逆に言えば、応募者の側にも同じレベルの礼儀が求められます。挨拶ができない、姿勢が悪い、敬語が崩れる、こうした応募者は、いくらシニアでも採用側の評価が下がります。担当者がびしっとしている業界に応募するなら、自分もそれに見合った姿勢で臨むべきだということです。

大手警備会社と中堅・地場の説明会、何が違うか

説明会に出てくる警備会社は、大手・中堅・地場とさまざまです。隣で見ていて、それぞれにスタンスの違いがあることが分かりました。応募する側はこの違いを知っておいたほうがいいと思うので、整理しておきます。

大手は「会社」を見せる、中堅・地場は「現場」を見せる

大手警備会社の説明会は、会社のブランド・社史・規模・上場情報・福利厚生といった「会社の格」を伝えるスタイルが目立ちます。プレゼン資料も洗練されていて、「うちは安心して長く働ける会社です」というメッセージが前面に出ています。

一方、中堅・地場の警備会社は、現場の話・実際の業務内容・現場で働いている人の声を伝えるスタイルが多いです。プレゼン資料はシンプルでも、担当者が自分の言葉で熱心に話す姿が印象的です。

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大手警備会社と中堅・地場の説明会スタイル比較 大手は会社ブランド主体・中堅地場は現場主体 大手 vs 中堅・地場の説明会 大手警備会社 会社のブランド 社史・規模・上場情報 洗練された資料 「安心して長く」を訴求 ★現場の泥臭さは 自分で聞きに行く 中堅・地場の警備会社 現場の話 実際の業務内容 現場の声 担当者の熱量が高い ★地元密着・ 老舗が多い

FIG.1 大手と中堅・地場、それぞれの説明会スタイル

応募者として、両方を聞いておくと判断しやすい

どちらが優れているという話ではありません。大手には大手の安心感、中堅・地場には現場との近さがあります。応募する側として大事なのは、大手の説明会で「会社のいい部分」を聞いたら、現場の泥臭さ・人間関係・きつさは別の機会に自分で確認することです。「上場企業だから大丈夫」と思い込んで入社すると、配属された現場の実態とのギャップに苦しむことになります。

採用担当からひとこと
「大手は社名を出すと有名なところだよね。市場規模も違うし、社史もしっかりアピールしてくる。どんな仕事かというよりどんな会社かをアピールする感じ。これはおれとは全く違うスタンスなので、現場の泥臭さなどはしっかりと聞いた方がいいと思う。中堅といっても警備会社は地元で名が売れていたり老舗の企業が多い。どこもビシッとしてる、その印象。」
COMMENT どちらの形式の説明会でも、「現場の話」「配属先の特徴」「シフトの実態」は応募者から積極的に聞いていい質問です。

女性責任者が説明会に立つ、本当の理由

もうひとつ、警備の説明会で特徴的な現象があります。それは「女性責任者が登壇する説明会」が増えていることです。これには明確な戦略があります。

イメージギャップを埋めるための戦略

警備の説明会で女性の責任者が登壇すると、来場者の警戒心が一気に和らぎます。「警備=強面の男性」というイメージを、「女性も働ける業界」というメッセージに切り替える効果があるからです。これは経営・採用戦略として理にかなっています。

また、男性の来場者には別の効果もあります。正直に言うと、強面の中年責任者が立っているブースより、女性の担当者がいるブースのほうが人が集まりやすい。これは説明会の現場で何度も確認してきた事実です。

採用担当からひとこと
「警備会社は説明会に女性責任者が来て、女性や体力的な不安があっても働けますよってアピールする会社もある。戦略もあるだろうし、イメージギャップを埋めるためもあると思う。警備会社も人手が欲しいということだろうね。今は企業が採用に苦労している、敷居を下げて確保したい、シニアの力も求めているというのが狙いだと思う。」
COMMENT 女性責任者の登壇は、応募者を集めるための入口戦略です。実際の現場が女性に優しいかどうかは、別の機会に確認すべきです。

応募者は「入口戦略」と「現場の実態」を分けて考える

女性責任者が登壇していても、それは「説明会の入口」での戦略であって、現場の実態を保証するものではありません。応募者として大事なのは、ここで割り切ることです。説明会では女性責任者から好印象を受けたとしても、「実際の現場には女性警備員は何人いるか」「女性が働きやすい配属先はあるか」を、面接や別の機会に確認してください。これは聞いていい質問です。

説明会で「採れる人」と「採れない人」の差

ここまで、説明会の景色を客観的に描いてきました。最後に、私が隣で見てきた立場として「採れる人」と「採れない人」の差を、隠さずに書きます。これが実は、この記事でいちばん大事な部分です。

来場者の8割は「自分のイメージだけで来て、調べてこない」

これは警備の説明会で繰り返し見てきた現象です。説明会に来る人のほとんどは、警備という仕事を自分のイメージだけで考えていて、事前にほとんど何も調べていません。「分かりやすそうだから来た」「家から近いから」「定年したから何でもいいから」——こうした動機で説明会に来る方が、来場者の大半を占めます。

採用担当からひとこと
「ハッキリ言うけど、説明会に来る人のほとんどは自分のイメージだけでものごとを考えている。つまり調べもしない。だからくる。たまに定年前に次の仕事として先にリサーチに来る人はちゃんとしている。これは警備会社に限ったことではない。」
COMMENT これは警備に限った話ではなく、シニア向けの説明会全般で見られる傾向です。逆に言えば、事前にリサーチしてきた応募者は、それだけで上位2割に入れます。

「採れる人」は事前に調べてきている

採用される側で印象に残っているのは、定年前から次の仕事を準備して説明会に来ていた方々です。彼らは「警備の業務には4種類あると聞いてきましたが、シニアに向いているのはどれですか」「研修期間は何日くらいですか」「夜勤がある現場とない現場の比率はどれくらいですか」と、的を絞った質問をしてきます。

こうした応募者には、警備会社の担当者も身を乗り出して答えます。「この人は本気で考えている」と分かるからです。私は採用担当として、こうした準備をしてきた応募者を、他業種でも何度も採用してきました。だいたい優秀で、入社後も長く続きます。

「年齢の甘え」は説明会の段階から見抜かれる

逆に、警備会社の担当者が警戒している応募者像も明確です。説明会の控室で同席した警備会社の方が、何度も口にしていたフレーズがあります。それは「シニア採用で企業側が不安なのはシフト順守。体調・家族(介護)が多いけれど、年齢をたてにした『甘え』も多い」というものです。

「もう年だから細かいことは難しいよね」「この年でこれは厳しいんじゃないの」——こうした発言を説明会の段階で口にする応募者は、現場でも同じ姿勢になります。担当者はそれを見抜いて、面接の対象から外していきます。

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説明会で採れる人・採れない人の差 事前リサーチと年齢の甘えが分かれ目 説明会の段階で差がつく 採れる人 事前にリサーチ済み 具体的な質問ができる 姿勢・挨拶が整っている 「やってみたい」の温度 来場者の上位2割 採れない人 イメージだけで来場 質問が抽象的 「年齢の甘え」が言葉に出る 「なんとなく」の動機 来場者の8割

FIG.2 説明会の段階で「採れる人」「採れない人」の差はもう出ている

説明会に行く前にやっておきたい3つの準備

ここまで読んでいただいた方は、もう自分が「事前に調べてきている上位2割」に入っていると言えます。さらに準備の精度を上げるための、3つのアドバイスを最後に書きます。

説明会前にやっておきたい3つの準備

  • 業務の4種類を頭に入れておく——施設警備・交通誘導・運搬警備・身辺警護。シニアが現実的に応募できる業務はどれか、自分なりの仮説を持つ
  • 自分のシフト可能時間を整理しておく——夜勤可否・夕方以降の可否・週何日働けるか。これが明確だと、担当者の質問にすぐ答えられる
  • 「なぜ警備員を選んだのか」を1分で語れるようにしておく——「なんとなく」「家から近い」だけでは弱い。働く理由と警備への興味の両方を、自分の言葉で整理する

この3つを準備していくだけで、説明会の担当者から「この人は本気だな」と思ってもらえます。担当者もより踏み込んだ情報を提供してくれます。説明会は、応募者と企業の最初の接点です。準備の差がそのまま、その後の面接・採用結果に響いてきます。

説明会で警備会社の担当者がびしっとしているのは、応募者側にも同じレベルの姿勢を期待しているからです。それに応える準備をして臨んでください。警備員の面接で見られているポイントは、警備員の面接——採用担当が見ている合否の分かれ目でも詳しく書いていますので、あわせて参考にしてください。

まとめ——説明会は採用プロセスの「ゼロ次面接」

この記事のまとめ

  • 警備の説明会は他業種より圧倒的に来場者が多い(マンション管理の倍以上)
  • 警備会社の担当者は大手も中堅・地場も全員びしっとしている
  • 大手は会社ブランド主体・中堅地場は現場主体——両方の特徴を理解しておく
  • 女性責任者の登壇は「敷居を下げて応募者を集める」入口戦略
  • 説明会に来る人の8割は事前リサーチをしてこない
  • 採れる人は事前に調べて、具体的な質問ができる上位2割
  • 「年齢の甘え」は説明会の段階で見抜かれて、面接対象から外される
  • 3つの準備(業務4種類・シフト・志望理由)を整えて臨むだけで上位に入れる

説明会は、就職活動の最初の「ゼロ次面接」だと考えてください。担当者は応募者を観察していますし、応募者の側も会社を観察できる場です。両方が情報を交換する貴重な機会を、「なんとなく」で消費するのはもったいない。

準備して臨めば、説明会の段階から差がつきます。そして、隣で見てきた立場として保証しますが、準備してきた応募者は採用担当の目に必ず留まります。あなたが警備員として働きたい気持ちがあるなら、この3つの準備だけは整えて、説明会に向かってください。

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シニア採用責任者として複数職種の採用・採用説明会を管轄。年間1,000名以上のシニア求職者と向き合ってきた。採用単価60%削減・年間140名採用・離職率38%→18%改善の実績。上場企業の採用戦略に貢献(2024年)。

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